大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和56年(わ)5962号 判決 1982年2月26日

本店所在地

大阪市東区博労町二丁目二四番地

寺浦ガーゼ製品株式会社

(右代表者代表取締役寺浦種次郎)

本籍

兵庫県宝塚市寿楽荘二二番地

住居

同所一二番一号

会社役員

寺浦種次郎

明治四五年二月二九日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官加藤友朗出席の上審理を終り、次のとおり判決する。

主文

被告人寺浦ガーゼ製品株式会社を罰金九〇〇万円に処する。

被告人寺浦種次郎を徴役八月に処する。

被告人寺浦種次郎に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人寺浦ガーゼ製品株式会社は、大阪市東区博労町二丁目二四番地に本店を置き、ガーゼ製品の製造販売業を営むもの、被告人寺浦種次郎は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人寺浦種次郎は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  同会社の昭和五二年一二月一日から同五三年一一月三〇日までの事業年度において、その所得金額が四、三〇〇万一、五六三円で、これに対する法人税額が一、六二六万八、四〇〇円であるのにかかわらず、売上げの一部を除外するとともに、架空仕入れを計上するなどし、よって得た資金を株券として留保するなどの行為により右所得の一部を秘匿した上、同五四年一月三〇日、同市東区大手前之町一番地所在の所轄東税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一、二〇三万一、三八〇円、これに対する法人税額が三八九万三、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税一、二三七万四、六〇〇円を免れ

第二  同会社の同五三年一二月一日から同五四年一一月三〇日までの事業年度において、その所得金額が四、三二七万九、五四六円で、これに対する法人税額が一、六四〇万二、七〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の一部を秘匿した上、同五五年一月三〇日前記東税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が八二七万四五四六円、これに対する法人税額が二四一万七、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税一、三九八万五、六〇〇円を免れ

第三  同会社の同五四年一二月一日から同五五年一一月三〇日までの事業年度において、その所得金額が二、一四三万二、八九五円で、これに対する法人税額が七六三万六、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の一部を秘匿した上、同五六年一月三一日前記東税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四九七万四、三九七円、これに対する法人税額が一三一万七、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税六三一万八、五〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  被告人の公判廷の供述

一  被告人の検察官に対する供述調書

一  被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書(一七通)

一  登記官作成の法人登記簿謄本

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(一〇通)

一  寺浦肇の大蔵事務官に対する各質問てん末書(三通)

一  同人の検察官に対する供述調書

一  寺浦利治の大蔵事務官に対する各質問てん末書(二通)

一  同人の検察官に対する供述調書

一  帯谷幸太郎の大蔵事務官に対する各質問てん末書(二通)

一  同人の検察官に対する供述調書

一  菅井幹夫の大蔵事務官に対する各質問てん末書(二通)

一  同人の検察官に対する供述調書

一  堀内実の大蔵事務官に対する各質問てん末書(三通)

一  同人の検察官に対する供述調書

一  中昌一の検察官に対する供述調書

一  寺浦享子(二通)、中野靖子(二通)、柳川武、桑野久富、安達弘祐、三橋一之、高志愿人、高志栄子、菅井千賀子(三通)、寺浦正雄、瀬戸トヨコ、橘清、堀内千代子、樋口トシ子の各大蔵事務官に対する質問てん末書

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(請求番号一)

一  同作成の証明書(同四)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(同二)

一  同作成の証明書(同五)

判示第三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(同三)

一  同作成の証明書(同六)

(法令の適用)

(一)  被告人寺浦種次郎につき

昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法一五九条(徴役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(第二の罪の刑に加重)、二五条一項一号

(二)  被告人寺浦ガーゼ製品株式会社につき

前同法人税法一六四条一項、一五九条、刑法四五条前段、四八条二項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 加藤光藤)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例